【どんな学校?】自衛隊の高校について卒業生が紹介!

自衛隊の高校とは?

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「自衛隊の高校がある」というのを初めて耳にした時は、そんな学校あるの?と驚きましたが、実際にそんな学校はあり、ボク自身も自衛隊の高校で3年間を過ごしました。

とはいえ、良くも悪くも自衛隊は閉鎖的な面があり、実際どんな学校なのかを知る機会は多く無いため、

  • どんなことを学べる学校なの?
  • 卒業したらどんな道へ進めるか知りたい

といった疑問やお悩みもあるかと思います。

そこで今回の記事では、実際に自衛隊の高校について、卒業生の視点から以下のことをお伝えしていきます。

  • 自衛隊の高校(陸上自衛隊高等工科学校)とは
  • 高等工科学校の特徴
  • 高等工科学校に入る方法
  • 高等工科学校を卒業後の進路

自衛隊へ入隊するうえで参考にしていただける点もあるかと思いますので、ぜひご一読ください(#^^#)

自衛隊の高校とは

ここまで「自衛隊の高校」と記載してきましたが、正式名称は陸上自衛隊高等工科学校です。
※文部科学省管轄外のため、厳密には高校(高等学校)ではありません。ややこしいですよね(^_^;)

学校は神奈川県横須賀市にあります。

高等工科学校がなぜあるかというと、陸上自衛隊の中で、高度化・システム化された装備品を駆使・運用するための専門技術をもった自衛官を育成するためです。

そのため、カリキュラムには防衛基礎学や電子機会工学といった専門的な科目があります。

卒業生の自衛官は「生徒出身」と呼ばれたりしますね。

過去には、海上自衛隊や航空自衛隊にも生徒制度がありましたが、2011年に廃止されました。

陸上自衛隊の生徒に関しても生徒56期から採用制度が変わり、学校の名前も「少年工科学校」から「高等工科学校」となっています。

防衛大学校とは違うの?

と思う方もいるかも知れませんが、少し異なります。

共通点もあるのですが(学費がかからず、お金をいただける点など)、簡単に違いを説明すると、防衛大学校は自衛隊の”大学”、高等工科学校は自衛隊の”高校”というイメージです。

防衛大学校では幹部候補を育成する機関なのに対し、高等工科学校は技術陸曹を育成することが目的となっています。

高等工科学校の特徴

一般的な高校と比べてどのような特徴があるか、紹介していきます。

  • 特別職国家公務員になれる
  • 学費がかからない
  • 手当(お給料)がもらえる
  • 規律を重んじる
  • 訓練がある

身分が特別職国家公務員になる

生徒に採用されると他の自衛隊員と同じように身分が特別職国家公務員になります。

高等工科学校の生徒は社会人としての採用だからです。

入校中は高校の勉強もしているので実感しにくいかもしれませんが、勉強や訓練を通して自衛官としての素養を身につけることが仕事というイメージですね。

ボク自身は「国家公務員」という響きにあこがれて自衛隊に入った面もありました。

授業料・衣食住にお金がかからない

高等工科学校では授業料(学費)がかかりません。

進学校などにある成績優秀者の学費免除といったものではなく、生徒全員、一律で授業料が0円です。

自衛隊で働く場合、仕事で使う衣類や装備は貸与され、食事に関しては無料で食堂で食べることができ、隊舎の寝泊まりも無料です。

衣食住に対する待遇は生徒も同様となっているので、入校する場合はお金の心配はありません

手当(お給料)がもらえる

高等工科学校では授業料や衣食住もお金がかからないと紹介してきましたが、そのうえで、毎月手当として約10万円が支払われます。

6月と12月には期末手当(ボーナス)もあり、卒業までの3年間で100万円以上を貯める生徒もいました。

お金は貯金に回すようにも指導されるため全額好きに使えるというものではないものの、15歳には十分大きな金額をいただけることがかなり魅力的でしたね。

受験勉強もお金のために頑張っていた思い出がありますね。笑

規律を重んじる

自衛隊では集団行動が基本です。

自分勝手な行動が生死を分けることに繋がることもあるからですね。

もちろん、高等工科学校でも「自分さえ良ければ周りの人に迷惑がかかっても良い」といった考えは通用しません。

普段の生活でも、朝起きてから寝るまで、食事や入浴時間も決まっているので、時間に合わせて生活することになります。

訓練がある

訓練といっても、避難訓練ではありません。

自衛官として必要なスキルを学ぶための肉体的・精神的に厳しい訓練があります。

学年が上がるにつれて、より難しいことを行っていきますね。

訓練の例は下記です。

1年生行進訓練
2年生水泳訓練・集中訓練
3年生富士野営訓練

2年生からは実銃も扱うようになり、射撃訓練もあります。

個人的には集中訓練のなかで行ったガスマスクを使った訓練が印象深いです。

催涙ガスが充満されている空間にガスマスクを着けて入り、ガスマスクの効果を体験する訓練なのですが、途中でマスクを外してガスの体験もします。

マスクを外してからは、涙、よだれ、鼻水が止まらなくなり大変でした。笑

高等工科学校に入る方法

高等工科学校に入るには、一般と推薦どちらかの試験で合格する必要があります。

推薦一般
・口述試験
・筆記試験(作文を含む。)
・身体検査
1次試験
・筆記試験:国語、社会、数学、理科、英語(中学校卒業程度)
・作文
2次試験
・口述試験(個別面接)
・身体検査
出典:「高等工科学校生徒」自衛官募集ホームページ(https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/about/recruit/kotokokagakko.html

倍率は年度ごとにばらつきはありますが、一般では7-13倍、推薦で2-4倍ほどとなっています。

応募者数が減少しているため、倍率も低下している傾向にあるようです。

年度期別推薦試験一般試験
平成26年度61期生3.813.4
平成27年度62期生3.010.5
平成28年度63期生2.310.2
平成29年度64期生2.29.0
平成30年度65期生2.27.5
令和1年度66期生2.56.9
出典:「高等工科学校入試倍率」陸上自衛隊高等工科学校ホームページ(https://www.mod.go.jp/gsdf/yt_sch/exam/

偏差値は50後半から60ほどと言われたりもしていますが、公表されていないため実際のところは不明です。

倍率自体は高めなので、目指すのであれば問題集などを使って対策をすることは必要ですね。

高等工科学校を卒業後の進路

高等工科学校を卒業後は、大きく3パターンの進路があります。

  • 任官して部隊勤務
  • 進学
  • 自衛官にならない(任官拒否)

部隊勤務

卒業したのち、配属された部隊で働くパターンです。

多くの生徒はこの道へ進みます。配属された職種に合わせた技術を磨いたり、幹部になったり、ヘリコプターのパイロットになる人もいますね。

進学

進学先は限られますが、試験を受けて合格すると、以下の学校へ進学することが可能です。

  • 防衛大学校
  • 防衛医科大学校
  • 航空学生
  • 看護学生

高等工科学校からの進学では、防衛大学校と航空学生が多いですね。

看護学生に入った話も耳にしたことはありますが、防衛医科大学校への進学は聞いたことがありません。

自衛官にならないケース(任官拒否)

卒業時に自衛官にならない道もあります。

人それぞれ考え方はありますし、考えが変わることもあります。

人生はいろんな道があるので、任官拒否も1つの選択肢ですね。

ただ、職員から白い目で見られることもあるようでした^^;

高等工科学校へカズレーザーさんが来た!?

2020年に沸騰ワード番組でカズレーザーさんが高等工科学校へ来校し、名言を残していきましたね。

みなさんは日々、本当にたくさんの訓練をこなしてらっしゃると思います。
たくさん汗もかいてらっしゃいますし、つらい思い、苦しい思いもされていると思います。
みなさんが1滴汗を流すと、誰かが流す涙が1滴減ると思います。
みなさんがたくさん汗を流してくださるので、我々は涙を流さずに済んでおります。
僕がこうして今、ヘラヘラしていられるのも、みなさんのおかげです。
我々の未来から悲しみを取り除いてくださって、本当にありがとうございます。
感謝しています。
頑張ってください。

沸騰ワード10 より引用

高等工科学校の卒業生や在校生、たくさんの自衛官の心が救われたのではないかと思います。

上記のように、高等工科学校はメディアで紹介されることもありますね。

【まとめ】自衛隊の高校について

今回は自衛隊の高校である陸上自衛隊高等工科学校を紹介してきました。

  • 自衛隊の高校(陸上自衛隊高等工科学校)とは
  • 高等工科学校の特徴
  • 高等工科学校に入る方法
  • 高等工科学校を卒業後の進路

この機会に高等工科学校を知っていただき、進路を決める参考になれたら嬉しいです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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